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[ 2008年にいただいたコメント ]

Suzu

ロジャーの使ったトーク・ボックスは、今Tペインやエイコン等で流行のヴォコーダー・ミュージックの先駆みたいな感じですよね。
「I Heard It Through The Grapevine」のカバーが大好きです。しかしマーヴィン、グラディスと全然タイプが異なるアレンジですけど、それぞれに凄く良いっていうのも、珍しいことですよね。

tanoux

トークボックスとヴォコーダーは、まったく違う「楽器」です。
出てくる音は似ていますけど、原理も思想も異質のものです。
だから、今のR&Bで多用されているヴォーカル・エフェクトと
ロジャーのトークボックスにはつながりがないですね。
ヴォコーダーのヴォーカルなら、
ハービー・ハンコックが先駆者の位置づけになると思います。


ということで、話題は "I Heard It Through The Grapevine" へ。
アレンジが違ってもそれぞれ凄く良いのは、やはり屈指の名曲だからでしょう。
ソングライターは、ノーマン・ホイットフィールドとバレット・ストロングのコンビです。
お話に出た、グラディス・ナイトマーヴィン・ゲイ、ロジャーの3バージョンは、
いずれもシングル・チャートで1位になってます。
記録だけを見ても、いかに名曲かがわかりますね。
各々の収録アルバムはこちら。
 ↓
「Everybody Needs Love / Gladys Knight & The Pips」(1967)


「In The Groove / Marvin Gaye」(1968)


「The Many Facets Of Roger / Roger」(1981)


グラディス・ナイト&ザ・ピップスとマーヴィン・ゲイは、2in1CDです。
でも、マーヴィンのは廃盤ですごい値段が付いてますよ。
うっかり買わないでくださいね(笑)。

Suzu

なるほど、これだけもてはやされてるのにロジャーとかの名前が出てこないのはそういう事なんですね。聴いてる分には「声が変わってる」という点でついイコールに考えてましたけど、楽器が違うんですか。またひとつ勉強になりました。

tanoux

一応、カッコ囲みで「楽器」としましたが、正しくはエフェクターです。
トークボックスは、元々、「トーキング・モジュレーター」というギター用のエフェクターでした。
有名な使い手は、ジェフ・ベック
もっとポピュラーな人だと、ピーター・フランプトンとか
ボンジョビのリッチー・サンボーラとかになるのかな。
ほら、大ヒット曲 "You Give Love A Bad Name" のイントロで
「ウワウワウワウワ〜」ってやってるでしょ。あれです。
本来は、ワウワウみたいにして使うギミックだったんですね。


ロジャーはそのトーキング・モジュレーターを、なんと自分のヴォーカルに使っています。
この辺りが、ロジャーの革新性と言われる所以じゃないかな。
ヴォーカルにギターのエフェクターをかけて歌おうなんて、普通の人は考えませんよね(笑)。


一方のヴォコーダーは、名前からも想像できるように、
初めからヴォーカル用のエフェクターとして開発されたものです。
ものすごく簡単に説明してしまうと、人間の声をシンセサイザーの音源に利用します。
で、キーボードで音程をコントロールするわけです。
トークボックスは習得にかなりの訓練が必要ですが、
ヴォコーダーは、キーボードが弾ける人ならそれほど時間はかからないんじゃないかな。


ついでにもう少し話を進めます。
今のR&Bで使われてるヴォーカル・エフェクトは、ミキシングの段階でエフェクトをかけてます。
ヴォーカリストやミュージシャンがコントロールしているわけじゃなくて
ミキシング・エンジニアとプロデューサーのテクニックですね。
だから、厳密に言うと、ヴォコーダーとも関連性が薄いのかもしれません。
3つのヴォーカル・スタイルは、それぞれ似て非なるもの、と考えておいた方がいいのかも。

Suzu

更に詳しい解説、どうも有難うございました。何となく(smile)イメージが湧いてきました。
ロジャーのトーク・ボックスの記述だと、よく「チューブを口にくわえる」って表現が出てくるんですけど、ホースみたいのをじかに口にくわえるイメージで正しいんですかね?何か凄く歌いにくそうですけど…。

tanoux

そうです。チューブ=ホースですね。
一見、歌いにくそうですけど、実は人間じゃなくてギターが歌っています。


まず、ギターで曲のメロディ・ラインを弾きます。
その音は「密閉バッグ」の中の小さなスピーカーから出ています。
「バッグ」からは「チューブ」が出ていて、口にくわえます。
チューブを噛んだり緩めたりすると、口の中でギターの音が共鳴しますね。
それをヴォーカル・マイクで拾うと、ワウワウみたいなエフェクトがかかって聞こえます。
ここまでが、トークボックスのオリジナルな使い方。
単にチューブを噛むだけじゃなくて、
歌詞を発声するのがロジャーのヴォーカル・スタイル。
音程のコントロールは自分が弾くギターで行います。
だから「歌っているのはギター」で、
人間は「共鳴装置」の一部になるという、ものすごい仕掛けです(笑)。

Suzu

噛みながら発声するって、難しそうですよね。こういうことをやってみようと思ったことが凄いなぁ。何よりめちゃくちゃ楽しいものになってるのがまた素晴しいですね。

tanoux

ロジャー本人のコメントによると、
スターウォーズのダースベイダーの声を真似したかった」そうですよ(笑)。
いかにもロジャーらしい、楽しい答えですね。
本当にサービス精神たっぷりの人だったんだなあ、と思います。


[ 2006年にいただいたコメント ]

シュウ

「I Want to Be Your Man」大好きです!
こういう感じの曲って他にもあるんでしょうか?

tanoux

"I Want Be Your Man" は、僕も大好きな曲です!
ロジャー(ザップ)は、バラードもステキですよね。他にもいい曲ありますよ。
お勧めは、"Ooh Bay Baby" です。
オリジナルの収録アルバムは「Zapp V」なんですが、入手困難のようですね。
代わりにベスト盤をご紹介します。(ディスク2の12曲め)
 ↓
「We Can Make You Dance : Zapp And Roger Anthology」


ディスク2には他にもバラードがたくさんあります。
"Spend My Whole Life" や "Slow And Easy" などなど、聴いてみてください。
きっと気に入ると思うな。


[ 2005年にいただいたコメント ]

tapara

20年ほど前か?
渋谷はライブインかどっかで見たザップは、えがった!
どろどろの音でございました。


でもその後(か先か?)に見た吾妻先生のスインギンバッパーズも
ジャンプでよかったよ。

tanoux

ザップのステージはすごいですよね。
僕は有明エムザ(だったかなあ)で観ました。


渋谷ライブインにもずいぶん行ったなあ。
バーケイズがカッコよかった。
うーん、当時の記憶がどんどん蘇ってきました。

tapara

昔、ボビー・グローヴァーのソロもZAPPと一緒に聴いてたけど、あれもよかったな。 あのLPなくしちまったみたい。 ぐぐ・・。

tanoux

エッ、ボビー・グローヴァーのソロ・コンサートなんてあったんですか!
観たかったなあ。
S.O.S.バンドやミッドナイト・スターと一緒のイベントみたいなのでしたっけ?


あと、なくしたLPって、「Bad Bobby Glover」ですね。
ボクサーに扮して、女性と一緒に写ってるジャケットでしょ?


実は僕もあのCDを買い落としちゃって探してます。
当時、付きあってた女の子が持ってたから「とりあえずまだいいや」と思ってるうちに
廃盤になっちゃいました(悲)。


どなたか、「Bad Bobby Glover」のCDお持ちの方、譲ってください。
帯はなくてもかまいません。
2500円までだったらお支払いいたします。

mmsano

こんにちは。
偶然、Zapp&Rogerについて私も載せました。
まだ聴き込んでいないので、曲名とかゼンゼン詳しくないです。
tanouxさんはどの曲がオススメですか?
私は、いかにも80Sっぽい妙チキリンな加工音とか歓迎です^^。
あと、En Vogue、カッコよかったですよね。
定番ですがSalt n Pepaとの“Whatta Man”と
“Too Gone, Too Long”が好きです〜。

tanoux

ブーツィー・コリンズとかジョージ・クリントンが好きだったら
ザップ&ロジャーは間違いなく気に入ると思います。


僕が好きな曲は、ロジャーのソロだとバラードの ”I Want To Be Your Man” です。
アップでは、”Thrill Seekers” がいいなあ。
収録アルバムは、1987年の「Unlimited !」。
 ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002LAH/soulclassics-22


本館でも紹介してますが、これ名盤です。ぜひオススメ。


ザップのファンクなら、”Dance Floor” ですね。
収録アルバムは、1982年の「Zapp II」。
 ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KXM/soulclassics-22


こちらも本館で紹介してる名盤です。


あと、アン・ヴォーグ
”Too Gone, Too Long” は僕も大好きですよ。
マイナー系のミディアムは、ツボですね。


”Whatta Man” も流行ったなあ。
ちなみにサンプリング・ソースは、リンダ・リンデルの ”What A Man” です。
60年代に活躍した白人の女性シンガーなので、僕もよく知らない人なんですが
ヒットは、この一曲だけ。
試聴はできないけど、スタックスのシングル・コンピレーションに入ってます。
 ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000091KZG/soulclassics-22

mmsano

mmsano mmsano 『わ〜George Clinton本気で大好きです。
あの虹色っぽい髪から顔をのぞかせてる感じが^^。
マジメに、あの「シャー」とか「サーッ」っていう
シンセサイザーの音が大好きです。
このZapp & Rogerも本当に気になってきました。
tanouxさんのオススメの作品を買い物リストにいれておきます。

tanoux

お役にたててうれしいです。
ロジャーの「Unlimited !」とザップの「Zapp II」ぜひ揃えてください。


ザップとロジャーに関しては、オリジナル・アルバムから聞くのをお勧めします。
ベスト盤だと、リミックスも多いですからね。


ロジャーのトークボックス聞いたらハマりますよ、きっと。

questao

ぎゃー、ロジャーもZAPPもBootsyもクリントンも大好きですよぉ!
ZAPP(ロジャー)もPファンク直系なんだけど、もっとタイトで洗練されたファンクに仕上げているのがニクいと思うんですよ。
ZAPPは残念ながら観ていませんが、浴衣姿のジョージ・クリントンLIVEをMZA有明で体験してしまいました。ドロドロでした。

tanoux

浴衣姿のジョージ・クリントンってスゴイ(笑)観たかったなあ。
ロジャーはサービス精神の人ですからね。
Pファンクよりタイトで洗練されてるのは、そこら辺が理由なんじゃないかな。
「誰でも踊れて、ラジオでかかりやすいように」という狙いでしょう。


そういえば、ザップを「発見」したのは、
ジョージ・クリントンだってご存知でしたか?
マチュア・バンド時代に、Pファンク・オールスターズの前座を務めて
認められたそうですよ。

questao

え!? それは知りませんでした。
とはいえ、至極ナットクできるエピソードですね〜。
クリントン、あんな世捨て人なナリしていても見る目あるんですね。
勉強になりました。

tanoux

世捨て人なナリですか、たしかに…(笑)


喜んでいただけたので、もう少し詳しくお話しましょうか。
トラウトマン兄弟とジョージ・クリントンが出会ったのは、1974年の出来事です。
ロジャーはまだ23歳ですね。
当時の彼らは、ヒューマン・ボディという名のアマチュア・バンドでした。
地元のオハイオを中心に活動していたようですよ。


そこへやって来たのが、ジョージ・クリントン率いるPファンク・オールスターズ。
オープング・アクトで好演したヒューマン・ボディに驚いたんでしょうね。


ちなみに「ザップ」というバンド名の名付け親もジョージ・クリントンだそうです。